大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)4598 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人福田力之助の上告趣意について、

被告人の自白を証拠として犯罪事実を認定するには補強証拠を必要とするけれど

も、その犯罪構成事実の全部に亘つて一々これが裏付となる補強証拠を必要とする

ものではなく、要はその自白の真実性を保障するに足る他の証拠があれば足るもの

であることは当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第一四二六号、

同二四年一〇月五日大法廷判決参照)。本件において第一審判決が証拠としたA、

Bの司法警察員に対する各供述調書の供述によれば、朝鮮人たる被告人が日本国外

から許可なく日本国内に入つたという事実は推認できるので、これによつて被告人

の判示同旨の自白が架空でないこと即ちその真実性を保障できるのであつて、右各

供述と被告人の自白と相待つて犯罪事実の全体を認定するに十分である。そして論

旨に引用する東京高等裁判所の判例もその趣旨とするところは、前記当裁判所の判

例と同一であるから、論旨はその理由がない。

よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二七年一〇月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷村唯一郎は出張につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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